五十嵐隆の天才性の由縁
昨日はあまりに暇だったので
COPY発売当時高校生だったわたしは、シロップがいたから、無味乾燥の学校生活を乗り切れたようなもので、
ライブに行く日を指折り数えて過ごした。
五十嵐のインタビュー動画が三つほどあがっていて、
インタビュー動画を見たのは初めてだったので
過去の彼に再会するようで、嬉しく思った。
インタビューを見てて思ったのは、
五十嵐は、とても繊細な人間だということだ。
この世界で生きていくには、あまりに繊細で優しすぎて、自分の欺瞞が許せなくて、美しい世界でしか呼吸ができない人だということだ。
今ではHSPという言葉も出てきて、繊細すぎて生きづらい人たちの存在も、一般的になってきたが、当時はアーティストになるか、鬱になるか、メンヘラになるか、表面的に明るいやつになるかしか対処法がなかった。
しかし五十嵐を見てて思ったのは、
彼は本来の自分の姿を否定せず、自然体であるということだ。
自分の感覚に、世界に蓋をせず、嘘をつかず、自分の感じることを素直に音楽に込めて表現し続けたということだ。
ドラムの中畑に、五十嵐さんとはどんな人ですか?という質問に、
神ですね。とマジで答えていた。
誰にも何にも染まらず、自分であり続けた五十嵐は、確かに神だった。
常に自らを変えていって、たどり着けない高みを目指していく様子も、神だった。
そして武道館公演で、
マイノリティーのはずの自分が、
マジョリティーの代弁者になっていたことに気づくのだ。
生きづらい、こんな世界おかしい、狂ってる、
みんなそう思ってたのだ。
どんなに健康そうに見える人も、心に闇をかかえ、孤独だと感じ、救いを求めていたのだ。
そう、シロップは音楽という精神安定剤だった。
俺は正常だ。
狂ってるのはおまえらだ。
健康ってなんだ。
自分を失ってまで。
五十嵐は狂った世界で、自分であり続けた、
心を守り続けた、
自分を追い詰めても、
自分をごまかさかさずに、
ただ
きれいにしか生きられなかった。
この濁った世界で。
シロップは解散後、
2014年から再結成し、
マイペースに活動をしている。
(今年の春からまた活動休止中。)
インタビューで、20年後も音楽をやっていたいと語った五十嵐は、根っからの表現者で、
あの頃とは、
だいぶ世界も生きやすくなってきたこの世界で、今後シロップがどんな音楽を生み出してゆくのか、楽しみだ。
変わってゆくこと、それが希望。
この世界に生きているということそのものだから。
さえ鳥 11月号
こんにちは。
さえ鳥の最新号を読むために、イアハーツ買ってます。
- 作者: ヨネダコウ,みちのくアタミ,四宮和,ハル,ちしゃの実,斉川,英数字,関口かんこ,晴屋うまこ,山本小鉄子,中川カネ子,秋雨るい,ツノナツメ,島あさひ,湯煎温子,ふたつへんじ,稲荷家房之介
- 出版社/メーカー: 大洋図書
- 発売日: 2018/09/29
- メディア: 雑誌
- この商品を含むブログを見る
11月号、ドキドキしすぎでした。
矢代と百目鬼の関係が、
上司と部下から、一人の男と男になっている瞬間があって、ドキドキしました。
矢代のセリフからも、百目鬼の言動からも。
矢代が、「妹はよかったな、おまえがいて」とふと本音をもらします。
それは、誰も助けを求められず、一人で状況を受け入れるしかなかった自分とは違って、という意味も含まれてると思うのですが、
百目鬼はそこまで、察することはできてなくて、それが読者からすると痛い。
矢代はこれまで笑い飛ばしていた自分の過去というものに、いまもう一度向き合わざるを得なくなったようです。
それを開けたのは、百目鬼との愛のある行為だったのですが。。
でもこのシーンは、険悪な雰囲気の前回からは一転して、ほっと笑みがこぼれるような二人の会話があり、嬉しさこみあげます。
でも、束の間の幸福な時間、矢代は、これから果たすある目的のために、百目鬼に銃口を向け足を負傷させます。もしくは、何があってもついてくる百目鬼を自分から離れさせるために。
突然銃で撃たれて驚く百目鬼でしたが、
あなたのために使うと決めた命です、と、矢代に命を差し出すような告白をします。
なんて強い思いなんでしょう!!
そのあと、額に銃をつきつけ、もう一発大きな銃声が鳴り響きますが、
おそらく、矢代は、殺すようなことはしないでしょう。
果たして、ふたりのこれからは、
妄想するだけで胸が熱くなります。
どこまで矢代は百目鬼にひどくし続けるのか、
百目鬼はどこまで矢代についていくのか、
矢代が、百目鬼への思いを認めざるを得ない、と自覚するのを見れる日が、楽しみです。
なにも必要ない、だれもあいさない、と決めて生きてきた彼が、誰かを必要とし、信じて、生きる日が来ることを。。
囀る鳥は羽ばたかない
みなさま、
福山雅治氏も絶賛したという、ヨネダコウさまの漫画「囀る鳥は羽ばたかない」はご存知ですか??
囀る鳥は羽ばたかない(5) (H&C Comics ihr HertZシリーズ)
- 作者: ヨネダコウ
- 出版社/メーカー: 大洋図書
- 発売日: 2017/11/30
- メディア: コミック
- この商品を含むブログを見る